エネルギーネットワークへの攻撃は重大なリスク、英国登記簿が初めて発表

内閣府の評価も「壊滅的な」パンデミックがこの国を襲う可能性を高める

ロシアのウクライナ侵攻後のエネルギー供給の混乱と新たなパンデミックは、英国にとって最も重大なリスクの2つであることが、一部の脅威を初めて機密解除した最新の政府登録簿で示された。

リスク登録簿は3年ぶりの更新で、「壊滅的な」パンデミックの可能性を5年以内に5％から25％と評価し、前回の評価の1％から5％の可能性からリスクを引き上げた。

また、英国のエネルギーネットワークなどのインフラに対する攻撃の「重大な」影響は2年以内に5％から25％の可能性があるとランク付けし、これが重大なリスクであることを初めて明らかにした。 このカテゴリーには、ロシアによるヨーロッパでのエネルギー供給の意図的な妨害、あるいは電力網、核施設、燃料供給に対するテロ攻撃が含まれる。

「英国は他の多くの欧州諸国に比べてロシアのエネルギーへの依存度が低いものの、依然として欧州のエネルギー市場の混乱にさらされている」と文書には記されている。 最悪のシナリオでは、ロシアからヨーロッパ諸国に流れるすべての輸送ガスが冬の間数週間遮断され、ヨーロッパ全土で需要の抑制につながる可能性がある。

「欧州本土で長期間にわたる深刻なガス不足は、欧州大陸のガス火力発電能力にもマイナスの影響を与える可能性があり、英国の冬季のエネルギー供給の確保に影響を及ぼし、家庭の電力消費者に影響を与える可能性がある」と登録簿には記載されている。

更新された文書はオリバー・ダウデン副首相によって発表され、英国に対する89の脅威を列挙した。

ダウデン氏が所長を務める内閣府は、エネルギー供給の中断、悪意のあるドローン攻撃、インターネットと通信データを運ぶ海底ケーブルの損傷という、これまで秘密にされてきた3つの主要リスクの等級付けが公表されたと述べた。

新たな開示は、貴族院委員会がリスク登録に関する秘密主義を批判した後に行われた。 国家安全保障上のリスクの一部は依然として文書から省略されている。

最も重大なリスクは再びパンデミックが発生することであるように見え、合理的な最悪のシナリオでは死者数は84万人、死亡率は2.5％で、英国の新型コロナウイルス感染症による死者数を上回っている。 この文書では、英国の研究所から病原体が漏洩するリスクも評価されており、これは非常に低く、おそらく大きな影響を及ぼさないことが判明した。

別のパンデミックに加えて、「壊滅的」の可能性があると格付けされているリスクが他に 4 つあります。 電力網の故障と大規模な化学、生物、核、放射線攻撃はどちらも 2 ～ 5 年以内に起こる可能性が 1 ～ 5% と評価されていますが、民生用原子力事故や海外での放射線漏れは 0.2 ～ 2 ～ 5 年以内に起こる可能性が高いと評価されています。可能性は 1% です。

今後 2 ～ 5 年間で 25% 以上の確率で「中程度の」影響が出る可能性が最も高い主要リスクは、公共の場でのテロ攻撃、金融サービス業界の技術障害、非 NATO 同盟国への攻撃、海外における災害対応など。

悪意のあるドローン攻撃の脅威の影響は「中程度」と評価されていますが、今後 2 年間で発生する可能性はわずか 0.2 ～ 1% にすぎません。

人工知能と気候変動はいずれも、抗菌剤耐性や重大な組織犯罪とともに「慢性」リスクとして評価されています。

ダウデン氏は、リスク評価はこれまでに発表された中で最も包括的なものだと述べ、英国の「増大するリスク」の一つがエネルギー安全保障であると強調した。 北東海岸沖の北海にあるドッガーバンク風力発電所を訪れた同氏は、風力は低コストでクリーンなエネルギーであり、「プーチン大統領のエネルギー身代金に立ち向かうことを可能にする」と述べた。

マット・コリンズ国家安全保障副大統領補佐官は、更新された登録簿は「政府内部の機密リスク評価に基づいており、テロから紛争に至るまで、英国が直面するリスクに関連する潜在的なシナリオ、対応、回復の選択肢についてさらに詳細な情報を提供している」と述べた。そして自然災害」。